2024,3,24第一句会

 

「燕」

青空を舞台に踊る燕二羽         大石繫子

畦道や苗待つ水面ツバメ舞う       吉田榮治

神がゐて民がゐる国燕来る        二上貴夫

海原にはてしか燕日はや暮れぬ      植田忠克

行きつけのサービスエリア燕来る     鈴呂屋こやん

石垣の反うつくしや燕飛ぶ        岡本保

つばくらめ只今電柱移設中        立石采佳

初燕高速道路逆走し           佐藤和子

つばくらめのれんをくぐる宵の口     酒井天敏

暁のビンタン島に舞う燕         後藤文彦

 

「レタス」

チサの種畝よりハウス移住かな      吉田榮治

純真な心閉ざすや玉レタス        鈴呂屋こやん

ドライカレーをレタスに包むトットちゃん 後藤文彦

雨が降るレタスの里の畝長し       二上貴夫

ひと玉をしゃぶしゃぶにしてレタスかな  佐藤和子

朝サラダ彩り添えるレタスかな      植田忠克

山積みのレタスしたたる白き汁      立石采佳

レタス剥く青春色の昔かな        大石繫子

玉レタスちしゃと言ひ張る翁かな     酒井天敏

わだかまりとけてレタスの巻を解く    岡本保

 

「雑詠」

春愁や棚引く雲の流れ見る        植田忠克

春一番つがいの鳩の呼びあいし      佐藤和子

桜咲く廃工場の追憶に          鈴呂屋こやん

軽食の夕こしらへや春の雷        立石采佳

啓蟄や歩くたび鳴る鍵の束        岡本保

3.1.1.や地震の爪痕十三の年         吉田榮治

自分宛にハガキに一句さくら旅      大石繫子

飛花落花九十九曲りの男坂        後藤文彦

あるはずのあるべきものに男雛      二上貴夫

凍てゆるぶガレ場を石の落つる音     酒井天敏