2023,12,24第一句会

 

「掃き納め」

残業の日々の終わりよ掃き納め   鈴呂屋こやん

掃納ルンバに任せ観る右京     後藤文彦

掃き納めへそくり見付け福来り   吉田榮治

かさかさと庭木紅葉の掃き納め   佐藤和子

断捨離と言ふ手もありぬ掃き納め   酒井天敏

あばかるる不正資金や掃納     岡本保

庭園の曲線残し掃き納め      濱田恵美子

掃き納め裏金族の塵とれぬ     大石繫子

巨星堕つ掃き納めしか歌合戦    植田忠克

仏壇は最後に清め掃納       立石采佳

 

「実朝忌」

実朝忌丹沢の杜いだかれし     濱田恵美子

尺八は浄土の風や実朝忌      鈴呂屋こやん

落つる実も朝迎ゆる実朝忌     植田忠克

実朝忌なり歌よみの心なり     二上貴夫

玉椿右府の魂しい宿りけり     佐藤和子

実朝忌波多野に眠る金剛寺     吉田榮治

階段の下りは危険実朝忌      岡本保

弁天橋の夕日の富士や実朝忌    後藤文彦

実朝忌吾に晩年の跑捨句      酒井天敏

歌詠みを浄土で励む実朝忌     大石繫子

まだ蕾梅の香おもひ実朝忌     立石采佳

 

「雑詠」

菜の花に物音たてぬ暮しなり    二上貴夫

日めくりをまとめてはがす師走かな 植田忠克

待合室椅子のくぼみの冷たさよ   佐藤和子

イルミネーション見に山に入る耶蘇祭り 鈴呂屋こやん

去年今年大河は音もなく流る    岡本保

モンペはき残りの草とり天をつく  濱田恵美子

神話のやうな夕ぐれの冬野かな   二上貴夫

水仙の潮の崎でラッパ吹く     吉田榮治

一陽来復八十路の七千歩      後藤文彦

惜しからぬ命とは嘘ポインセチア  酒井天敏

横向きの水仙ふつと頷きぬ     立石采佳

蓋とれば鰤の白眼にぶつかりし   大石繁子