2024,2,23第二句会

 

「霾、黄砂」

霾やよきもあしきも人により     木村富美雄

黄砂降るボンネットに足のあと    田中浩

つちふるや大河にのりて川下り    小泉美容子

くすみゆく近現代よ黄砂飛来     鈴呂屋こやん

霾や山の丸みの薄れける       沼田典子

宙吊りの日本列島黄砂くる      竹村半掃

 

「バレンタイン」

苦き夜に糖分少しバレンタイン    鈴呂屋こやん

駄菓子屋の百円握るバレンタイン   沼田典子

バレンタイン妻チョコ一つ求めけり  木村富美雄

取りあえずバレンタインは生一つ   小泉美容子

かぎ括弧のバレンタインの日にもらふ 竹村半掃

傷つきしバレンタイン日終わりけり  田中浩

 

「雑詠」

スケッチの絵の具が散って春近し   田中浩

しばらくは風のゆく道梅の花     沼田典子

春浅し雪の知らせにあたふたと    木村富美雄

猫の不在その穴穿つ春の雨      鈴呂屋こやん

春靄や鳥獣戯画へ迷ひ込む      竹村半掃