2024,3,22第二句会

 

「燕」

縄のれんくぐりて宿る燕かな     小泉美容子

空家の表札さがす初燕        志賀明子

燕来て何思うシャッター閉じた街   鈴呂屋こやん

燕飛ぶ鎌鼬と似た様な        志賀明子

燕来る帰らぬ燕となりにけり     田中浩

燕来る友は天へと去りにけり     木村富美雄

 

「レタス」

青春を少し巻きたるレタスかな    小泉美容子

シャキシャキと訪ずれ伝う春レタス  田中浩

百円でエコバッグ濡らすレタスかな  鈴呂屋こやん

指五本そろへるやうに萵苣を剥ぐ   竹村半掃

レタス噛む待つは厚目のハンバーグ  志賀明子

実も花も知らずやレタスみどりの日  木村富美雄

 

「雑詠」

コート脱ぎ背伸びうきうき春一番   木村富美雄

春一番ブラックホールから手紙    竹村半掃

桃の日や卆寿を唄うタンバリン    小泉美容子

古民家の雛の顔には歴史あり     田中浩

金鉱か杉こもれ陽のミツマタは    鈴呂屋こやん

冴えかへる廊下の奥の人体図     竹村半掃